おぼえがき
木槽とジュール熱による短期発酵
2018-11-28
木桶醸造の長所は断熱効果による緩やかな温度変化と呼吸することでふくらみが出ることでしょう。ところが木桶による天然発酵は一年半から2年間と時間がかかるところに短所があるとも言えます。本物(プレミアム)志向とこれからの木桶礼賛ブームに応えようとするに当たり先の短所を克服することが課題となりましたが、幸い産学連携による実験で判明した方法があり、実用化に繋げるべく協業工場では平成24年度補正予算による「ものづくり事業補助金制度」募集に応募し、標題が採択され実現の運びとなりました。
「ジュール熱」とは、導体内を電流が流れるとき電気抵抗によってその導体内に発生する熱のことを指します。そしてこれを発生させるためには抵抗と断電性容器が必要です。
塩分を含む「醤油もろみ」と「木槽」がこの条件に適っており、その特性上均質な加温が短期発酵を可能にしてくれたのです。