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おぼえがき

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一麹・二櫂・三火入れ(その四)

2018-07-25
もろみが熟成すると色合いを見ていよいよ搾りに掛かります。麻袋に入れて吊るしたり板で押さえる方法は現在使われておりません。ろ布とろ布の間にもろみを挟み込んで高さがあって四角い大きな筒の中にミルフィーユのように順々に積み重ねてゆきます。そうして積み重ねてゆくうちに自重で自然と液が流れ出します。重ね終わって一晩も経つと六割位の高さにまで圧縮されます。一番垂れですね。    
次に、ぽたぽたしていたもろみが薄いベニヤ板のように様変わりするほど圧力をかけて押し切ることで液汁はほぼ出尽くします。
 こうしてとれたもろみの液汁を数日清澄し、ろ過したものが生揚醤油と呼ばれます。また一連の過程でしょうゆ油が分離され、協業工場では麦炒りの燃料として使用しています。
 ところで、もろみと聞くときゅうりと反応する方もおられることでしょうが、現在市販されているもろみとはまったくの別物です。

一麹・二櫂・三火入れ(その三)

2018-07-20
発酵タンクに送られた醤油麹はここで半年間最適な温度管理のもと、もろみとなって醸造されます。一、二か月の初期段階では、活発で旺盛な発酵によりアルコール分が発生し3%にもならんとしますし、うまみ成分も9割がた形成されてきます。ここで重要なのが撹拌と言われる作業です。木桶に棒のようなものを突っ込んで上げ下げする様子を映像として思い浮かべる方も多いと思います。この棒のことを櫂と言い、その作業を櫂入れと呼びます。もろみに刺激を与えて育成します。
 三、四か月の中期段階になると色、香りが整うようになってきます。櫂入れも慈しむように対話するといった風情です。
 五、六か月の後期段階は熟成期間です。過不足がないように目配り手配りします。
 現在の発酵タンクでは櫂入れに代わってバブリングというエアー撹拌を行いますが、目指すところはまったく変わりません。

一麹・二櫂・三火入れ(その二)

2018-07-18
浸漬して蒸し上げた大豆と炒って割砕した小麦を両味混合したところへ種菌をふりかけます。これらが混然一体となって室の中へ敷き詰められ、湿度100%という高温多湿の環境下で品温を30度前後に保つこと二昼夜、菌が順調に生育して醤油麹が誕生します。
醤油麹の出来不出来はその後修正できませんので最終製品の味に決定的に影響します。そのため第一の肝として「一麹」と言われるのです。この醤油麹を塩水と混合して発酵タンクへ送ります。
 さてここで登場した「大豆」「小麦」「塩水」の割合は全国一律ではありません。それぞれの風土と地産地消が育んだ嗜好により様々であったと思われます。現在ではその八割が大豆と小麦を等量に、仕上がりの塩分は17%の「濃口醤油」となっています。うまくちと言われる大野醤油も基本は同様です。
Aあまえび・Kかに・Bぶりによく合います。

一麹・二櫂・三火入れ(その一)

2018-07-13
醤油の原材料の表示に表れないものが二つあります。一つは水で軟水か硬水かによって口当たりが変わってきます。もう一つは正確には加工助剤である種菌です。この菌が大豆や小麦に入り込んで醤油麹が造られます。良い醤油が出来るかどうかは第一にこの時に係わってきます。
 醤油造りの種菌は大きく二系統に分かれており、コク・キレ・カオリをどう仕上げたいかで選択が変わります。大野醤油は甘みを感じるコク仕立てと言えるでしょうか。しかもこの種菌は自家培養の優れものなのです。
 協業工場でも設立当初は種菌の培養は大変な労力と時間を費やす一方で、なかなか純粋でしかも均質なものが得にくく悩みの種であったようです。そんな悩みを一挙に解決する装置を開発したのがほかでもない協業工場の工場長だったのです。特許を取得したその装置は世界中で活躍しています。

「大野醤油」の原料(その四)

2018-07-12
醤油の原材料として意外と知られていないものに米があります。全国でも一部産地の淡口醤油に限定されていますので、ラベルの表記でもほとんど見られることはありません。
 本醸造淡口醤油は塩分が少し高めになりますので、口当たりを和らげるため、仕上げに甘酒を加えることがあるようです。米そのものを醤油麹にするわけではありません。
 では大野醤油に米を使った醤油はあるのでしょうか。時代を遡ると一時期ありました。
それは醤油諸味に米麹を追加投入して発酵させたもので、味噌の産地でもあったがゆえに発想された当地独特の甘口醤油のことです。
ちょうど味醂と醤油が合体したような味わいといえばいいでしょうか。想像するに、当時は醸造も保管も木桶でしたから水分が蒸発すると塩分がどんどん上がり辛口になってゆくのを防ぐ意味もあったのではないでしょうか。
 復刻して今の名は「大野紫」と言います。
大野醤油醸造協業組合
石川県金沢市大野町4丁目甲18-6
TEL.076-268-1301
FAX.076-268-1302
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